グレーダーの仕事を人に説明するとき、私は
「服作りにおいて通常はサンプルを1サイズ作り、
量産前に他のサイズも必要になるので、
そのサイズ展開のデータを作る人」と説明しております。
それは確かにそうなのだけれど、
パタンナー・グレーダー仲間の認識だと
CADでグレーディングしたデータが後々問題ないか
見極める目を持っていることが必須となります。
ここがとても重要です。
グレーディングは簡単に言うと
どこを・どれだけ・どんなふうに動かすか、
それだけのことなので
CADの操作自体はシンプルで、
必要な項目を入力しポチッとするだけで
それなりの結果を返してくれます。
けど、エラーが出なければOK!というわけもないのです。
頭の中でトワルを組んで、
どのサイズもデザインを壊さず、
機能や体形を加味し、
生産上も問題ないか考えると
ベテランでも結構悩んだりするものです。
これこそグレーダーの終わりなき学びだと思ってます。
永くお付き合い頂いているお客様だと
私がどんな仕事をするか分かっているから
拘るポイントやバランスを見ておまかせ頂く部分を
簡単に打ち合わせすれば安心して仕事が出来るのですが、
新規でご依頼いただいたお客様には
今後のこともあるので、私のグレーディングが
ご希望に沿えるものだったかどうか
つい訊ねてしまいます。
そんなとき、
「プロのグレーダーさんにお願いして良かった」とか、
「グレーディングラボさんは本物ですね」とか、
優秀なパタンナーさんに「弟子になりたい」とか、
そんな言葉を頂戴するたび素直に嬉しい一方で、
他のグレーダーさんはどんな仕事してるんだろう?
という疑問が浮かぶのです。
その昔、CADの設備は高額なイメージがあったけれど、
今はクラウドで誰でもお手軽に使える時代。
いったいどれくらいのユーザーさんがいるのでしょう?
海外で生産される商品はグレーディングも海外で
行われることが少なくないようですが、
そのクオリティーも含め、果たしてどれくらいの人が
デザイナーさんやパタンナーさんが妥協することのない
グレーディングが出来ているのでしょう?
日本のグレーダー事情、実際のところどうなんでしょう??
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この記事は旧ブログ2020/11/7に公開されたものです。
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